マンションのルーツと長崎の建物

都心から郊外に行くとマンションが見えてくる。マンションにはエレベーターが付いている。1フロアで、数十個の家があり、十数階になっている。エレベーターは1棟につき2つあったので、あまりエレベーターで待つことがなかった。東京に引っ越したての頃は、5階建ての階段のマンションで、4階に登ることには息を切らしていた。下りになると、エレベーターより速度は出ないものの、何かを持ち上げる負担が少なく、足取りも軽やかになる。都心になると、平均して70戸件に1基エレベーターがあるようだ。すると一つの建物に一基なので、タイミングや巡り合わせによっては待ち時間が変わってくる。ゲームデザイナーの斎藤由多加が、The towerというシュミレーションゲームを作った経緯はそのような都市部の出来事に法則性があるかどうかだったという。エレベーターだけでなく、エスカレーターでは輸送能力や傾き方でどのようにテナントが変わってくるかということも想像してみると、都会に第二の故郷を感じるところがある。ゲームといえば行動を伴うアクションが最も技術と計算力を要するけれど、その準備段階でどのように方針を決めて行くかということを考えることで、誰でもフロンティアを開拓する自主性が育まれる。マンションのような近代建築は、明治時代には長崎の炭鉱で発達した。軍艦島は西日本新聞の2015年のドローン特集と紹介ページの白黒写真を見るだけだったものの、2016年に家族で長崎に旅行に行ったときも、長崎のマンションは変わっている。もともと坂道が多い地形だったためか、8階建てのマンションでもエレベーターがなく階段があるだけだが、入口が1階と4階についている。1階には坂道の下り坂の時に出入りする入り口で、4階は登り坂の時に出発する入り口だという。すると4階建ての建物が坂道に2つ重なっている仕組みになる。平戸のホテルの渡り廊下も東京でも見かけそうなコンクリート作りなのに、渡り廊下の先に何があるかと歩いてみたくなる。
九州では石炭が採掘されて、それが明治から昭和にかけての近代化を支えたというけれど、その一端が建物を独特なものにしているように思われた。平戸の先には中国や韓国がある。その間には対馬があって、Googleで検索して、対馬の生活している人のブログを読んで見る事もあった。パソコンで情報発信しているので、まずはデジカメとPhotoshopがいるのでその講座が気になるなど、東京で暮らしているとなかなか気がつかない素朴な疑問や、また郊外にいるからこそ情報にアクセスしたいというニーズを感じられた。

平戸城の石垣には図書館があり、そこには東京の町歩きのガイドブックや、流行りの映画や楽曲などの資料があった。郊外にいながら都会の情報にもアクセスできてと思ったが、その土地ならではの風土に触れたいと思って、平戸城の博物館にぶらりと立ち寄ってみた。展望台から眺めると平戸湾に島が浮かんでいて、そこには灯台とテントがあり誰かが設営しているようでもあった。その向こうには対馬があって、その先は釜山がはるか向こうに見えるのだろうか。どちらにしても目はあまり良くないけど、もしそこから遠くが見渡せたらと想像を巡らせた。海岸では釣りをする地元の住人も見える。それでいて、海から平戸市役所があるあたりには川沿いに商店街がある。そこでレンタカーを駐車して、ちょっとトイレに行くと川沿いに1フロアの飲み屋があって、そこでたまたま店員さんを見かけた。そこからも小さな窓から川辺と海が見えた。
江戸時代には長崎には出島があって、江戸にはない文化交流を見ることができたというけれど、僕は東京にいてあまり珍しくなくなってしまったものにもルーツがあり、そこから派生してできたもののいくつかある。父がニュースでイルミネーションが綺麗なところでハウステンボスを見たくなったといってそのついでに見知らぬ土地を探索することになったものの、父もまた日本の端まで行ってみたいとどこかで目標立てていたのかもしれない。それでもあまり、気が進まなかった。長崎のホテルにももともとはまとまった団体客の慰安旅行も兼ねてそこにお土産屋ができたり、劇場ができたりして、その名残が残っている。昭和から平成になるにつれて、団体から個人での旅行に変わり、大掛かりなホテルから民泊などの小規模なものに移り変わりつつある。その中で、住んでいるところを活性化させるためのエッセンスにはどのようなものがあるかと考える。ロボットが接客をする変なホテルは千葉県の浦安にもある。そう考えると旅行には心の故郷を再発見するための道のりだったようでもある。最近はほとんど家とオフィスを往復するだけだけれど、それでもそこに行き着くまでにいろいろな偶然に出くわする。ライフサイクルの変化と今まであるものをリノベーションしたり、その土地に纏わる歴史などにも新たな視点が当てられるとどこに住んでいても住み心地が良くする方針を立てることができる。

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