寄り道でのできごと

ここ数年で妙なジンクスがあった、電車のホームを乗り間違えたり、一駅乗り過ごしたり、または、見知らぬ乗客の足をうっかり踏んでしまったりすると、不思議とその日のコミュニケーションはしっくりこない。どういうわけか相手もなぜか電車のホームや道に迷ったことを知っている。少しでも状態が悪くなると、その流れを引き戻すことがやりづらくなる。しかしながら、では僕はそういった転ぶことがなければ、上手くいっていたかというと必ずしもそうではない。転んでから、転ばなければ痛くなかったと条件が分かるくらいで、まっさらな状態が健全という保障があるわけではなかった。

とある小包を郵便局が受け付けるのに、都内であれば当日から一日で、千葉市になると、二日以上かかるという。とはいえ千葉県は内陸になれば数時間かかるが、千葉市であれば東京から千葉に隣町から乗り継いでいくことができる。もし電車を目的地と終点だけを往復していたら、寄り道のシチュエーションもあるかもしれない。とあるデザイナー事務所では、メールや電話を受け取るときはつねに最悪の状況を想定していると、そこから良くなるだけだからというアドバイスがあったが、すると必要以上に緊張しがちになり、対応がギクシャクしてしまう。そういったときに自分から自由になることは気が引けるが、片の力を抜いてリラックスするようにとどこかに書いてあったと、自分に言い聞かせてから、それから誰かに言うことにしている。

例えば、各駅停車でしか降りられない駅では、穴場がしばしばある。それほど混んでいないけれども、生活用品を並ばずに揃えることができたり、カフェや理髪店の予約をとったりできる。店側からすれば行列にならないので、あまり売り上げにならないかもしれない。山手線にも各駅停車の乗換駅があるというのは、僕はそこまで人付き合いが得意でないので、素直に分からないと答える。

外人が新宿に向かいたいと中野で訪ねてきた。余丁町という歩けば新宿に付くような場所では、電車がどれか分かりにくくなる。とりあえず、山手町線の新宿に近い駅なら乗り換えもしやすいとして、Googleマップをブラウザで開いて案内した。べつにスマートフォンは僕個人のものだけでもないと思っているので、あまりこだわりがないが、街角で道を聞かれたときにGoogleMapを開くと、開いた僕自身のアイデンティティは薄くなるが、相手が迷わないので安心する。もしE-inkの地図があれば、白黒でもより道案内しやすいのにと思うこともある。とはいえ余丁町をマップで見ても、都内なので歩けばなんらかの路線があるが、どれが近道かはいまだに選択の余地がある。

管理人の人当たりは悪くないが、住み込みで正面玄関を閉めても横から見ているときがある。それだけ事情には詳しいけれど、なかには管理人を避けてエレベーターを二階の階段から上がっていくとか、初めて課題でデータベースにアクセスしたときは、僕は気恥しくて階段で降りると言ったけれど、監視カメラやマンションの構内電話も改築したので体験してほしいという。ところが最近では後期高齢者の自動車免許の更新がおっくうになったとして悩みを明かしてくれた。

郵便局員や宅急便、宅配便でも配送業者によっては、午前中にマンションないを掃除する管理人まで頼みにくるひともいれば、不在票を置く人もいるという、荷物を運ぶ人は、配送の有無というより、町を区画で担当してその界隈に詳しくなることがある。そういったときに休日に空のワゴンで巡回する様子を見かけたことがある。個人的に困るのは、例えば誰かに断られたり、ミスをしたことが井戸端の会話で伝わり、それを挨拶や忖度にひきずることだ。そういった意味では意識でリズムが作られているところはある、ただ住み込みとはいえ、休日に無理して見栄をはるところがあり、そういったときは脇を通っていくとぶつからずに済む。書店ではそぞろ歩きは利益を優先してこっそりと動いているので、むしろ気味が悪いという風習があったが、僕はその日の体力と気遣いを精いっぱいやり遂げようとしているだけでそこまで気が回らない。

メールボックスを蹴って壊す人がいて、メールボックスが単体でなく金具で繋がっているので、ひとりがルール違反をするとそのフロアに影響するという噂だけれど、それを数年間同じ話をしている。かといって最近のことにもなぜか詳しい、住み込みのメリットは世間に詳しくなることだけれど、出羽亀になっているところもある。中国の荷物で、例えば水冷ブロックのL字金具は、珍しいものだとして配送員と管理人が見事に連携して、一緒に配送システムを作っていくような連帯感があったけれど、自警団のようになって融通が利かなないときもある。人にはいろいろある、管理人が若いころに自転車泥棒を捕まえたという話をしていて、女性の犯人だったので向こうが先に謝るのを待っていたというけれど、これは脚色がありそうだ。弱みを握られて委縮している状態を女性に例えて美化している可能性もある。もし追い詰められれば、僕でも謝るしかなくなるけれど、すくなくとも卑怯ではなく、良かれと思って気を遣うけれど、そこでショックで気を失っても本望だと思っている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です