電磁誘導とウズラ卵の目玉焼き

とりとめもなく散策していると、ふと店の棚にあったテフロン加工のプリン型がアルミニウムでできているか、鉄でできているかに関心をもった。USBケーブルのマグネット端子を近づけるとくっ付いたので鉄だということが明らかになった。同じ金属でもステンレスと鉄は良く似ているが、ステンレスでは熱は伝えるけれど電気を通さない。図書館では太陽光発電と風力発電のDIYを題材にした本があった。太陽光発電では、ソーラーチャージャーと蓄電池を繋げることが一般的で、容量とコストのバランスでは車のカーバッテリーとM8ボルトで繋げることも推奨されていた。しかしながら、カーバッテリーは希硫酸が液体のまま入っており、横や傾けて置くことができない。カーバッテリーが駐車場に置いてある風景はしばしば見たことがあった。ネジがしっかりしていて専用のゴムカバーを掛ければ、回路はしっかりしたものになる。

テフロン加工されたプリン型が鉄の容器だったことから、スプーンから容器にポリエステル製のPEWのエナメル線を巻きなおすことにする。被覆は半田ごての温度で溶けないので、剥離剤を使って両端に電極を作る。コイルはプリン型の周りに5周くらい巻いた。そのままでは、容器とエナメル線のコイルは固定されていないので、なにか接着剤で付けることも想定したが、高熱で接着剤が溶けることを踏まえると、有力な候補がない。とりあえず同じエナメル線を足のように付けて、容器と設置する面を比較的広く取ることにした。ミニチュアの鍋に電磁石のコイルが付いているという組み合わせになった。とくに接着されておらず、手で鍋とコイルの位置を変えることもできる。コイルに電磁誘導モジュールから電気が流れたときの磁界に鉄の容器が近ければ、火が無くても容器の中は温まるようになっている。

電磁誘導モジュールにまずはUSBケーブルから5Vの電流を流す、コイルがスプーンの時より長めになっているためか、プリン型の容器が入っていないときに電流が0.4A、容器を組み合わせたときの電流は2.7A前後だった。以外にもモバイルバッテリーでも賄えそうな電力で容器が50度くらいに温まった。USBケーブルでは調理器というより、暖房器具に向いていそうだ。次に9ⅴのアダプターを繋げるが、上手くモジュールで出力されなかった。続いて12vのアダプターでも、出力は安定しなかった。このあたりはペルチェ素子やニクロム線など直接電気を熱に変えるモジュールでは動作したので、電磁誘導モジュールとアダプターの相性では動作しなかった。

そこで、12v5Ahの小型シールドバッテリー、最大で60wの電力が約1時間出力される蓄電池に電磁誘導モジュールを繋ぐとプリン容器の温度が80度くらいになった。温度計が80度になった状態で水を入れると水は沸騰した。この容器はスプーンに比べると鉄を塊でなく、薄くシート状に伸ばしている構造になっている。そのため、鉄が熱を蓄えるより鍋に熱を伝え、空気の温度と中和されて温度計が検出したのだと思われる。とはいえ温度計では80度でも容器に接した水はおよそ数十秒で沸騰していることから、実際の表面温度は100度を超えていることが推測される。小型シールドバッテリーに電気を熱に変えるニクロム線ヒーターを使って、300mlのレトルトカレーを温めると1時間ほどで容量はほぼ空になることから、小型バッテリーの容量で出力できる要素はこのあたりだと推測されるが、電磁誘導モジュールはその約1/4くらいの90mlの容量の鉄の容器に出力が凝縮され、部分的に水を沸騰させることが可能になる。ニクロム線では熱を逃がさないように断熱材をふんだんに覆う必要があるが、電磁誘導ではあえて容器をそのまま使った。銅やアルミニウムは熱を伝えることに優れているが、熱を蓄えないので加熱より冷却に活用されることが多い。鉄やステンレスは熱を比較的伝えにくいが、熱を蓄える性質があり、ヒートシンクには用いられず、鍋の素材に使われる。

電磁誘導モジュールと容器からウズラの卵で目玉焼きを作ることにした。容器はテフロン加工されているが、焦げ付き防止のために油をひき、水が沸騰したところで卵を一つ容器に入れると、しばらくして卵の白身が固まりだした。そのまま加熱するとサニーサイドアップの目玉焼きになるけれど、ふだん調理しているときはコップの水をフライパンに入れて蓋をして蒸し焼きにする。電磁誘導モジュールで加熱された容器でも蒸し焼きが可能なくらいに温まっていた。蓋はガラスの蓋をして、目玉焼きの黄身に白身が被さっていった。このように電気回路からでも湯気がたつようなモジュールを試行した。蓄電池は溶液が重いけれど、回路はシンプルでも出力が安定している。海水のような電解液に金属片を付けてもイオン化傾向から電気が作られる。溶液を伴わない乾電池でもモバイルバッテリーでは5vの電圧では出力される、缶に収まった単位電池が、リチウムイオン電池が加われば使い切りでなく電気を貯めたり運ぶこと負担も和らぐ。

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