植生の連なり

親水公園の道なりの樹木が剪定されて、太い枝と細い柴に分けられていた。太い枝からは板が取れそうなくらい身がつまっている。街路樹は道路と住宅地の間に植えられている。地下は際限なく値を張れるわけではなく、水道管などの配管や道路などの制限がある。そのなかでも信号や道路を妨げずに、また景色に緑が残るようバランスが取れた園芸が為されている。街路樹のスケールをそのまま植木鉢にすると、枝ぶりが逞しく、かぎられた土と水に比べて瑞々しい景色になっている。

国土交通省によると花びらや落ち葉も回収する水面清掃船があるという。木場は江戸時代に筏で木材を運ぶための貯蔵施設だった場所で、東京東部では、その名残として水路が残っている。東京メトロやJRなどの鉄道が敷設される前は、東京都と千葉県は連絡船が水路をバスのように運航していたという。植木鉢を変えてもそこにすぐに作物ができるとは限らないということもあり、カップラーメンの空容器を植木鉢にしたところ、半年前くらいに道端で採取した苔から双葉が生えていた。ほかに育てるハーブなどがその鉢の中になかったので、そのままにしておくと双葉はヨモギのような葉っぱになり、そこからハーブなどと同じように水をやっていると、カップラーメンの容器が傾くくらい、土に比べて葉と枝が育った。道端にもしばしば生えている雑草で、調べてみるとアレチノギクという北アメリカ原産のキク科の植物のようだ。先日にはタンポポのような花が咲いた。茎は、引っ越したあたりを境に曲がっているが、引っ越す前のベランダではほぼ日光が当たらないビルの谷間のようなところで、それにくらべると引っ越したところは日光には恵まれている。半日陰の環境ではLEDランプが日光浴の代わりにもなった。そのため土と空のかかわりが本来どんなものか、関心が芽生えてきた。

また、以前は水を定期的に組んで撒くという作業をセンサーや毛細管現象を利用して、なるべく少ない手間で植木鉢を維持することを目的にしていたが、思ったように植物が伸びなかった。道端の軒先にはアロエが植えてある。良く育っている例を観察して、同じようなことができるかどうかを試して見る。よく都会というとコンクリートとアスファルトの道路という無機質な印象があるが、それだけに緑の植物が新鮮に見える。とはいえ、もし植木鉢の土を耕して種を植えたとして、そこそこ水をあげたとしてもそれがどんな育ち方をするのか予測はできないのに。都電荒川線のさくらトラムの線路には、セダム系の多肉植物が植えられている。一定期間、水を上げなくても雨を蓄えて線路の芝生のようになっている。セダム科の中でもツルマンネングサは韓国に由来するもので、ナムルというサラダの具になったりする。ツルマンネングサはネットショップで買ったものはそこまで生い茂らなかったが、隣町のホームセンターにあった苗は不思議と定着している。多肉植物ではグラフトペダルム属の朧月は、植生のペースは見ても分からないが、日を置いてみると、芽がでたり、茎と葉の位置が変わったりしている。水やりを毎日する習慣はものぐさな僕にはなかったはずだけれど、土を触って乾いているものを潤すように水をやると、次の日に植木鉢がどんな様子になるか気になるのか、気が付くと朝起きて太陽電池のバッテリーと気象センサーを確かめて、ついでに水をアナログで汲み置きしたくなる。だれに頼まれたわけでもないけれど。

水苔は、容器にいれておくと枯れることがないけれど、容器ごとに生い茂り方が異なる。また道端にはギンゴケがアスファルトの間にも茂っており、盆栽にもそれが採取されて流用されることがあるという。苔玉を3カ月まえに買って、とくに水をあげてはいなかったが、枯れていないものもある。また、ホームセンターで買ったスギゴケは容器でなく植木鉢のマルチングに活用して、どこまで緑が残るかは分からないが、すぐには枯れてはいないようだ。

スマートフォンのデジタルカメラで、数年前の植木鉢を見ると、植えたてのころは緑が初々しいけれど、日を置いてまた撮ってみると、いろいろな要素が変わっていることがわかる。変化を記録しておくことには意味があり、過去と未来に結び付けている。ハーブのような葉と茎からなるものだけでなく、幹や根が木のようになるものも試して見たいけれど、蔦のように建物を覆っている例は少なく、また街路樹にもそれほど根が豊富なケースがあるともかぎらないのに、空いた風呂桶や発泡スチロールから生け垣の木が生えていたりもする。駐車場のバケツからブドウの木が生えており、季節によっては房に紙の覆いがしてあるという珍しい風景もあった。僕は土地をもっていないので、そこまで茂らせることはできないけれど、コップ一杯くらいのカップラーメンの容器からキク科の雑草の花が咲いたことは、とある経過と変化の連続性を感じさせるものだった。

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