誘導と向き合う

数にこだわっていたわけではなかった。一種の目安としてと言うところがあった。よくスポーツを見ていると、これっていいところまで引き分けにして最後に一点取ると効率良く勝てる。と言ってしまえば極論だろう。そこまで勝つことに拘れない。サッカーの場合、みんなで一つのボールを回してそれで協力して取っていて、まるで原住民の漁のような趣がある。もし、大きな獲物を捉えればそれだけ集落は貯蓄が増える。原始的には勇者は、ともすれば特定の役割を持たない、つかみどころのない者かもしれないが、そう言った儀礼的な側面もあったのかもしない。でもそれになりたいと言う人がたくさんいれば恐らくは競争になり、集落や部族トライブの誇りを守ると言うより、特定のグループの人物を陥れる方法を身につけようとすると言うリスクもある。自分にもそう言った部分が全くないかといえば嘘になるかもしれない。それでも世の中が善と悪、苦労と安楽だけで分けられない、割り切れないとしてもなんとも後味が良くない。

陶芸は土からできる原初的な文化というよりは、生活の手段だった。それでも今ではそう言った活動ができない、窯を作って火を起こすのも燃費が計り知れない。それでも土をセラミックに加工には熱と化学変化が必要ということだけは伝わっている。かつては多くのIT担当者がろくろを捏ねるようなしぐさをして、それでアイデアの形を伝えたという。昭和年代のように空き地がなく、ベーゴマを鉛で鍛造するということも、今ではできず、ベーゴマの形のプラモデルをカスタマイズするという別の体験に置き換えたという活動になっている。もし大学があったとして、その先に別の世界が拓けていれば、学ぶことに客観的になれた、自分を見つめ直すこともより容易だったかもしれない。

LEDは実は電球と同じころに作られたという。実用化は電球の方が容易だった。青色発光ダイオードができたのは21世紀になってからだった。電球が光る原理はあり合わせの器具でもできるけれど、それを持続させるためには、工夫が必要になる。それとは別に、近代的な仕組みを知ってそれに習うようなことも必要になる。太陽電池が日陰になると発電効率が下がるのは、個々のブロックが単線で並んでいるので、もしこれを縦と横に伏線を張れば、そのギャップを埋めることができるという、また、多結晶と呼ばれるガラスがパッチワークのように貼られている状態より、単結晶というシリコンが一面に出ているほうが効率はいいという。現代は色々に物事が細分化され、権威や宗教の影響を受けやすくなっている。落ち着いて考えることがあまりできないようになっている。またどういうわけか仕事を引き締めるものは勝負だという、若い人に限らず年配にいたるまでエネルギーを持て余している。それを何かやくに立つ事に活用できれば、実際は本人も自分を見失わずにすみ、ちょっと転んだくらいで一日中落ち込むということも緩和されるのかもしれない。

ある人のやりたいことが出来る人はその人の周りを見渡してもほんの僅かしかいない。そこに不都合を感じるという。そもそもやりたい事がどのようなものかは本人にも分からないこともある。それでも何かにチャレンジしなければ、その見通しも立たない。あるいは雑誌やテレビに知り合いや親戚だけが出ていれば、変な影響力にビクビクすることもないのかもしれない。またあるいは、要求されたことが卒なくこなせれば、心理的には相手を不安にさせずに済む。

とある人が、エンジニアやデザイナーよりも営業でいる時の方が、仕事とは何かをより広く深く考えるという。それは誰かが怠けているのに、その人は活動していることがしんどくなるというだけではなさそうだ。とはいえ、もし子供や次の世代に、勉強とまではいかなくても相互理解が進むようなことはどのような事かとすると、言葉にならない部分もあるのかもしれない。世の中には明らかにならない方がいいことがあると、そう背中が語っているような気がしたけれど、僕はできるだけ分かりやすく、折り合いのつく形で説明して行きたいと思う。たかが説明、されどとも。僕たちの人生に意味があるかと問われれば、それは必ずしもそうでないのかもしれない。しかしながら、ある物を有効に活用する、お互いの長所を活かすということは大切なことだと思う。

コミュニケーションというより、誰しも何かの相撲をやっているようだ。意地と意地とのぶつかり合い。もしそう言った体験がなければ先人は世の中が味気なくなるという。その一方で少しでも賛同的な態度でないと、忍耐力が疑われる。心の中でこの野郎と思っても、それがちょっと調子が悪いくらいなら、それも仕方がないと僕は思いたいけれど。そこまで相手を縛りたいとも思えないけれど、人を動かすことを生業にすればそれをせざるを得ないのかもしれない。どれだけ立場があっても、常に新しく何かをする事が試されるより、その人の潜在力を引き出していきたい。

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