水とパスタと米の遍歴

太陽電池と蓄電池の組み合わせは、僕がインターネットで調べた中ではシンプルな実用的に収まってきていた。それとは別に、逆に水も、火も節約できる工夫として、水に漬けるだけパスタを試してみたかった。なんとTwitterで災害用に警察庁災害対策課もそのサバイバル調理法をお勧めしている。太陽発電の合間に、むしろ誰でもできる簡単な調理法でも意外に、コロンブスの卵のような発見があるかもしれない。コンビニエンスストアでうどんと蕎麦の乾麺を買って、それに合う容器を100円ショップで選んでみると、街のおばさんに話しかけられた。「蕎麦とうどんが入る容器を探しているんです」

と答えると、とても興味深げだった。

「なかなか見つからないものですね」

とはいえ、コンビニで買った蕎麦うどんが、収まるとそれが特にどうということもないが、身近なところに目的ができる。

「無かったら、半分に折っても水に漬けるだけなので、問題ないです」

「そんなことでお蕎麦ができるの」

「という風にインターネットの話題にはなっていましたが、保存するにも湿気が防げるので」

「いやいや、ここにお蕎麦があるのにもったいない、棚をはしごで大きめのタッパーがあれば手に取ってみたらどう」

そのようにして、A4くらいのタッパーが手に入った。確かにバッグに入れていた蕎麦を1kg分くらい、容器に入れられる。しかしながら冷蔵庫の広さをその時は考えていなかったので、やや行き当たりばったりというところもあったが、興味深いのが、この場合、調理方法はタッパーに麺を入れて半日くらい水に漬けるだけ、無為自然という感じだ。

そのようにしてタッパーを手に入れて、冷蔵庫の上の段をなんとか空けて、元はパスタだけれど、うどんでまず試してみる。すると数時間してうどんをそのまま食べるとやや粉っぽかったけれど、水に漬けるだけでも腰がでて麺が伸びていた。ところが、そのつけ汁も勿体無いと思ってしまったのか、それをそのまま鍋に入れると打ち粉のでんぷん質も含まれており、うどんと温めると糊のようになってしまった。とはいえ、水に漬けるだけでもただ茹でるよりモチモチとしたものになった。次に蕎麦も試してみると、蕎麦はうどんのように打ち粉が糊のようにならなかったが、蕎麦自体に熱を通さないとくっ付いてしまうようで、なんだかおにぎりくらいの大きさのヘンテコな塊になった。いっそ箸でかき混ぜて、麺ではなくなったけれど蕎麦がきにするとなかなか素朴な味がした。

うどんと蕎麦から、やはりパスタにするべきだと思った。元々のツイートもパスタでナポリタンを作っている。調理法が簡便なので早くもアレンジを試みたのだろう、パスタのレシピは料理漫画にも載っていないが、僕はディチェコのリングイネとペンネの味は記憶に残っている。ブロンズダイスというザラザラの質感は乾麺のままかじってもそこそこ味がある。値段も手頃で、家計を助けてくれる。それでも赤のミートソースか、緑のジェノベーゼといったメジャーなレシピから麺つゆベースの和風にするとやや印象が薄いけれど、釜揚げうどんのような麺の質感はそのまま残っている。水漬けパスタでは、多少太めの麺にして半日くらい付けておく、昨晩漬けたものを今朝食べるという感じで、今までは圧力鍋に水と塩を混ぜていたが、その部分をただタッパに入れるだけでも同じくらいモチモチとしてものになった。

通勤途中の大手町駅で、なんとお米の自動販売機があった。富山県の富富富という米のようだ。他には鰹節のパックと、レトルトカレーがあった。それぞれ500円〜1000円くらいして、なんだか自販機なのにちょっと高級なのだろうか、もやもやした気分になった。米も1合あたりで、青森の晴天の霹靂の倍くらいする。何が違うのだろうか。僕はあまり米本来の甘みがという例えができるほど味覚が鋭くはないけれど。失業給付がある前に食べ収めておこうと考えた。パックから米を出すと、精米したてのお米で、白いとぎ汁を洗ってみる。そうしていると正確なお米の分量と、お米を洗った水の兼ね合いでだいたい目分量にする。米1:水1くらい。また、太陽電池の蓄電池で、せっかくだから炊いてみようとする。鍋がテフロン加工でないので、うっすらと大さじ1杯のごま油をティッシュで敷く。米と水とややのごま油そんな感じ。そうしてIHヒーターに掛けると、やや焦げ臭い。鼻はあまり当てにならなかった。それでもごま油も敷いているし、赤子泣いても蓋取るなというけれど、30分くらい何もしないでアニメの番組をつけて待っていると、なんとお米が炊けている。その時にただ白いご飯だけ炊いてもおかずも現実的には必要と考え、缶詰とひじきを蒸らす時に入れて温める。蒸らすのには15分くらい使ってみる。この蒸らしの時間も普段はせっかちでつい省略してしまう。そうして蓋を取ってみるとなんと飯盒なのにほとんど焦げていない、白いご飯とおかずがそこにあった。僕はそこまで完璧でもなかったが、富山の米にはなんだかただ綺麗なだけでなく、自炊の醍醐味と丸くまとめるためのヒントがふんだんに詰まっていた。

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