学びと相互理解

何を言われても嫌な顔をせず、黙っていればそれが相互理解や協業に繋がると思いたかった。もしその相手の言うことをじっと見つめて、その間わき目も振らず、相手の立場に立って説明の内容を理解して、それで適切な対応ができたならどんなにか負担が軽くなると思うことはある。その内訳を見るとそのためには経験者と同等の実力が必要になってくる。対話でありながらもさながら腕相撲のような小競り合いがある。僕はそういったアクティブうなコミュニケーションが苦手だった。相手のことを悪く思っている訳ではない。世代によっても、指導がより一方的で抑圧的なことでさえ実行力があるとして、頼られていたこともあるという。相互理解に基づく友情というよりは反対者にしたくない人という印象。僕の場合はその日の業務のノウハウが立てづらいことで、不安と恐怖に精神的に圧迫されていた。仕事が修行であったほうが、精神と肉体が健全でいられるのだという。他の世間のことは分からないので、比較検討はできない。あくまでも一つの選択から成り行きでそうなった過程と考えられる。作業の場を修行の場にするための囁きのようなアドバイスに耳を傾けられれば、その日が比較的難が少ない。ところが、集中力が持続せず、うわの空でかすかな囁きやフラグの変化に気が付かないと、たとえ悪気がなかったとしても状況判断を誤って、ミスやインシデントに繋がって不利な立場に立たされる。相手を思いやることは、わずかな機微に気が付くことでも、また礼儀をもって伺いを立てることも必要になる。ケースバイケースの部分がある。厳しい、シビアだと感じる人でも、参ったという意味合いを込めて分かったと返答する場合と、内容を覚えたり理解しきれていないのに分かったという場合では、許容と理解の程度が異なる。反復することで、理解はできるようになる部分もあるけれど、そのときのタイミングで気が付くべきこともある。

作業には時間をかけて丁寧に取り組むべきことと、効率よく手早く行うべきことがある。そのバランスが難しい。いちどミスしたことを、指摘されるとうんざりする分には気持ちの切り替えで何とかなるけれど、ミスしないために対策と準備をする必要がある。習慣や無意識に忘れたり抜け落ちているところは、言われないと気が付かない部分もある。指導に熱が入って一方的に言われっぱなしになることもある。相手が経験者でこの先の段階に必要な情報を持っている場合は、そういった不均衡がでることもある。一方で、経験者と未経験者をとりまく人間関係が円滑になることを、学ぶ側だけでなく、教える側も気にかけているところがある。そういった面では紳士的な性格も持っている。または現場の指導には具体性や専門性があるが、その人を指導する側には精神的な影響があるように思えた。まるで親と子のような感じだった。とはいえ、社会人になると相手に頼ってばかりもいられず、いつかは自立する必要がある。指導と扶養は似ている概念や構造もあるのかもしれない。教わることは新しいことが学べるので苦ではなかったが、上下関係や業務の中で行うと独特の緊張感になる。

日々の朝礼がまるで儀式のようで、その日すべきことが言われてみないと分からないこともある。そういったときに限られた判断材料しかなくても、指示待ちだけでなく状況をうまく取り持つような行動ができればとも思う。気が付くかどうか、試していたということにはあまり応えられていない。僕の場合は人望もないせいか、面識がない人にも協力をしないと場がもたないような不安定な状況になったことがあり、言葉遣いは丁寧でもよそよそしく成らざるを得なかった。当たり障りなく、トラブルをやり過ごすことに労力を費やしていた。これが他の人であれば、アプローチの仕方は変わったのかもしれない。自分が正しいとは思っていないけれど、すべてのプライドを捨てて相手に尽くした経験もなく、それが自分だけでなく相手との関係性を保つために有効かどうかは分からない。

一昔前は、なるべく長い時間居合わせることがお互いの気持ちを知る上でも必要だったが、現在では36協定による時間制限がある。できれば仕事が終わらなかったため、協力が得られなかった準備しようと思う。その取り決めが語られるごとに、本当はじっと見つめて相手を労わることが相互理解に繋がるというメッセージが含まれている。対象は経験者に限られるが、僕たちのような新参のメンバーにも繰り返し伝えられている。そういったときに礼儀と感謝を添えておきたいと思う。新参ゆえにルールを知らないことや気が付かないことで迷惑を掛けることがあれば申し訳ないと思う。こうあるべきとして言わされている構造の中に、こうしてほしいという要望があればそれをくみ取れるような器量があればと思う。グループ間の人間関係で、何かあれば気が付くための相互理解について考えたい。

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